16日（土）・17（日）は、遠く広島よりSiさんがお越し下さいました。

Siさんは1ヶ月ほど前にメンテの依頼をして下さったパキ・パイプのオーナーです。

Siさんは、海外のあるパンク系のパイパーから影響を受けて「自分もバグパイプが吹けるようになりたい！」と思い、オークションでパイプを買ったとの事です。

パイプ自体は吹ける状態であっても、そのパイプを吹きこなし保全していく為には習得すべき事がいろいろあります。

細かな指の動きや微妙なタイミング、メンテの方法など、文面や教則本・動画では伝えられない事も多々あります。

特にハイランドパイプは気持ちだけではなかなか出来ない楽器だと思います。

私はSiさんに「百聞は一見にしかずなので1度いらしてみませんか？」とお誘いした次第なのです。

当初、Siさんは上京出来るのは数ヶ月先との事でしたが、「社長にワケを話し休みをもらいました！」ということで思いのほか早くお会いすることが出来ました。

バグパイプのために仕事休んでまでいらして下さったSiさんの「アツイ想い」には驚きですが、Siさんに餞別まで付けてくれた社長にも驚きました。広島人のパワーというか男気を感じます！

約10年ぶりの東京ということですが、無事羽田に到着した後「東京」駅からJR中央線の特別快速で「立川」駅→JR南武線「西国立」駅に到着し、まずは駅前の店で軽くお茶しました。

人情味溢れるSiさんの言葉の節々からは何度も「バグパイプが吹けるようになりたい！」という想いが発せられ、私もそれを十分理解できました。なので私は何がなんでもSiさんにとって少しでもプラスになるような濃いものにしたいと思いました。

家に着いてからは、まずはお預かりしていたパイプとご対面しました。

私はメンテ終わったこのパイプには木部へちょくちょくオイリングと艶出しをしていたので、更に深みを増しています。

Siさん、とても喜んでおられました。私もこれで一安心です。

生音を聴いたことがないSiさんの為に一発デカイのをぶちかましたところ、一瞬固まっているように見えました（笑）

まずは家にある新旧のパイプやプラチャン、その他パーツたちを総動員して構造的・デザインの違いをご説明し、消耗品やツールの使い方、メンテの仕方なども実践してお見せしました。

お次は今回のメインとなるプラチャン使ってのレクチャー＆レッスンです。

吹き方（姿勢・圧力）・持ち方（押さえ方）・運指にまず慣れて頂きました。

また、ハイランドパイプを学んでいくうえでとても大切な「クロッシングノイズを出さない」というお約束事を理解していただき、それを防ぐ方法などを見て頂きました。

また時間的な制限で無理を承知の上で、一部装飾音の練習も行いました。

何もかもが初めてですので1日や2日で体得できるものではありませんが、まずは手を動かさないことには始まりません。

何だかんだプラチャンでの練習は休み入れながら3時間くらいやりました。

さすがにお疲れのSiさんです。

初日はこれくらいにして、リクエストもあったので？いつもの「カウンティクレア」にお疲れさんをしに行きました。（笑）

アイリッシュパブが初めてのSiさんとごいっしょで、私もいつもの雰囲気が少し新鮮に見えました。

お酒が弱いSiさんとご一緒で、私もギネスとキルケニーの2パイントだけで酔うことが出来ました。（笑）

まだ夜の8時でしたが、Siさんは近くのビジネスホテルへ戻られました。

翌日は午前中からプラチャンでのおさらいを行い、午後からはKoiwifeと共に昭和記念公園のいつもの木陰でブローの練習をしに行きました。

日曜の最高気温は35°くらいでしたので、いくら木陰とはいえ尋常ではありません。

でもハイランドパイプはもともと屋外で吹く楽器なので、Siさんには酷だったかもしれませんが「外での音」を聴いて頂きたかったのです。どうせならと、Siさんにも「ナンチャってBlackwood君」のパーラーパイプとハイランドパイプのブローの練習もして頂きました。

うだるような暑さの中では正に「修行」のようにも思えました。

その「暑さ」にSiさんの「アツさ」が勝ったのか、初めてのハイランドパイプでのブロー（しかもチャンター付！）にして、スケールを往復吹いてしまったのでありました！！！

Koiwifeのパイプとはいえ、リードが柔らかすぎるわけではありません。

これにはとっても驚きました！本人も暑いからなのか苦しいからなのか、もう笑うしかないってとこですか…？

これだけ情熱があれば、広島でもパイプライフを楽しめます。

1時間チョットだけの練習でしたが、帰路につく時間まで軽くお疲れさんをしました。

2日間の日程は風の如く過ぎてしまいましたが、とても濃いものとなりました。

この事がその後の練習に於いて少なからずプラスになればと思っています。

Siさん、本当にお疲れさまでした！またお会いしましょうね。