パキスタン製バグパイプの夜明け(?)

先日、海外オークションに出品されていた新品のポリペンコ製のバグパイプを手に入れました。

画像で見る限りとても良く出来ているので、もし自分でも気に入ったらどなたか欲しい方にお譲りしてもいいかなと思いました。

出品者からの紹介ではどこにも「パキスタン製」とは謳っていないのですが、間違いなくパキ製だと確信できる箇所がありました。

パキ製バグパイプの問題点ばかりあげてもらちがあかないので、このポリ製のパイプに限った事かもしれませんが、今後に向けてKoiwaiなりのレポートをさせていただきます。

まずパッキン開いて製品が見えた瞬間、良い意味で「やられた!」と思いました。

どのパーツも、外見上見えなくなる部分まで丁寧にポリッシュが施されてあります。

細部もしっかりとエッジがあり、部品同士のガタつきや寝ぼけた感じがありません!

  

通常、フェラルが金属製の場合はニッケルですが、紹介文の通り錆に強いステンレス製です。

しかも指紋や汚れはまったく付いていませんでした。

イミテーションアイボリーとして使われている素材ですが、パキ製によくある柔らかくてヒビが入りやすいプラではありません。

白のポリペンコ樹脂からの削り出しですが、これだけでも“進化”です。

マウントの皿型の形状も、以前のものと比べて厚みが付いたのでグッと良くなりました。(デザイン上の問題ですが)

欠けにくくてありがたいのですが、出来ればレジン製からの削り出しの方が見た目には良かったのではと思います。

あと特に衝撃を受けた部分がいくつかあります。

1.ドローン先端(リングキャップ&ブッシュまわり)のデザインが「まとも」になりました。

通常パキ製の常識からだと、黒い輪っかの部分はペイント仕上げなのですが、ちゃんと一般的なバグパイプのように仕上げてあります。

ここだけ見る限りパキ製だとは思いません。

2.ブローパイプのマウスピースの材質がひび割れにくいものになりました。

体格に合わせて十分な長さを確保してあり、おまけに2分割出来るようにネジまで切ってある念の入れようです。

材質的に強度があるので、くわえる部分のカットは容易です。

今までのものはネジにあたる部分は曖昧で、ヘンプのテンションだけで留めている感がありましたが、

このパイプに使われているものはしっかりとしたネジが切ってあります。もちろんガタはありません。

マウスピースの根元ももちろん取り外しが可能です。

3.ブローパイプの空気弁が単なるゴムシートではなく、「Little Mac」バルブを模しています。(取り外し可能)

↓こちらはオリジナルのLittle Macです。

ゴムシートの直径はオリジナルに比べて小さく厚いですが、この心意気は高く評価したいです。

4.バッグカバーの材質と縫製・仕上げがまともになりました。

 バッグカバーの色は選べず今回はモスグリーンだったのですが、パキ製パイプに付属してあるバッグカバーのイメージを払拭するものとなっています。材質はベルベットではなくベルベティーンですが、飾りがフリンジではなくしっかりとした白いトリムです。

チャンターももちろんポリペンコ製ですが、しっかりとポリッシュされています。

ただリードのホールが若干大きく深いので、他のメーカーに合わせたチャンターリードを使うとすっぽりと入ってしまいます。この部分はチャンターの音にとってとても重要なので、もう少し研究して欲しかったですね。

あとチャンターで笑ってしまった部分があります。それはチャンターのソールにあたる部分のデザインです。

何だか、くまのプーさんがハチミツすくうのに使っていそうな感じで、見ただけでベタベタしたイメージになります。(笑)

他の有名メーカーもこの部分は個性が出しにくいとは思いますが、よくよく見ると鏡餅のような気もするし…ここはしっかりとパキ製を醸し出しています。(笑)

あと、これだけはやめていただきたいのがドローンのコードです。

シルク調の通常の織り方とは全く異なる作り方で、ヘビや硬いロープのようにコシがあるのでドローンの美しさを演出できません。

房も縮れ麺のようだし…ここは是非とも改善していただきたいものです。

〈おまけ〉

ゴム栓とテフロンテープ(画像なし)が付いてきました。

〈総評〉

パイプバッグ・リード類は初めから付いて来なかったのですが、ここの部分は色々と問題もあるので特にパキ製を使う必要はないと思います。細かな部分について望むことはあるものの、まず驚きを感じたのは手に取った時に伝わってくる、従来にはなかった仕上げの良さと心意気です。とてもパキスタン製とは思えません。価格は有名メーカーのポリペンコ製バグパイプの約半分なので、正直敬服しました。パキスタンのバグパイプメーカーも数ありますが、このパイプがパキスタン製の標準になってくれればと思います。

肝心の音はまだ確認していませんが、追って感想を書きたいと思います。

2件のコメント

  1. Iさん

    半値でその仕上がりなら
    ものぐさな自分には良さそうですw

    余裕があれば練習用で欲しい所ですね(´д`)

    そうすればお気楽極楽練習ライフが送れそうなのですが( ・_・)

  2. Iさん
    コメントありがとうございます。
    ものぐさだなんて!
    確かに手入れなどは殆どないですが、やっぱ楽器なのでそれなりに必要です。
    是非とも実物を手に取って見てください。
    きっと唸ります。(笑)
    「娘さん」と共に練習しないと、本当に「箱入り娘」になってしまいますよ。

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