先日、Koiwai にとっては昔から気になっていたR.G.Lawrie製のバグパイプがオークションに出品されていたのですが、運良く落札することができました。
昔バンドに入団する直前に、英国大使館に問い合わせた際にくださった資料の中に「Scotch House」のお店があり、そこで紹介されたのがR.G.Lawrieのパイプでした。
Koiwai はR.G.Lawrie満々でしたが、バンドではR.G.Hardie製を薦めていたのでそれっきり縁が無かったのです。
Koiwai としてはこのパイプを資料的検知から狙っていたのですが、手に入れたことで後々泣かされるはめにもなりました。(笑)
他の方が手に入れたとしても、そのままでは吹くことは不可能だったでしょう。
前オーナー曰く、30年以上前に父が英国からお土産で買ってきたとのことですが、長年放置されたままだったので装飾のカタリンの材質は変色のムラが激しく、カバーも虫食い状態、リードも殆ど無い状態でした。
タグが付けられたままなのには驚きましたね。(笑)
また、各パーツには番号がマジックで書かれていました。
やはり馴染みがない楽器はパーツに番号を振っておいたほうが安心するのかもしれません。
↓送られて取り出した状態です。
経年変化で、カタリンの色が濃いオレンジ色にまで変化しています。
木部に限らず全てがカッサカサで乾ききっているので、このパイプがとっても辛そうに見えます。(涙)
バッグカバーも穴だらけで相当殺られてしまっています。(笑)
↓ドローン先端のブッシュの盛り上がり具合がスゴイのは、Lawrieの特徴かもしれません。(職人による個体差が大きいかも)
↓ドローンの形状も特徴あって、この部分は「すそ野」が全くありません。
↓何と言っても一番R.G.Lawrieを特徴づけているのが、このデカールです。(チャンターとプラチャン)
他のメーカーでデカールを貼っているのを見たことがありません。
面白いことに時期によって何種類かデカールの違いがあるのですが、年代が新しくなるほど重みのないデザインになっています。(なんで変える必要が…?)
↓昔のパイプのチャンターにはソールが付きものでしたが、このメーカーではわざと段差にしているのが面白いですね。(ツライチの方が綺麗です)
↓マウスピースもかなり特徴的な形をしています。
昔のパイパーはゴムのプロテクターも付けないで咥えていたのでしょうか…
↓まずは全体の汚れをクリーナーで拭き取り、木部へのオイル&濃くなりすぎてしまったフェラルとマウントとリングキャップ類をコンパウンドである程度色味を戻します。
↓30年以上前とはいえ、一応由緒あるメーカーなので何も施さずにパイプバッグをシーズニングをしたところ、何をやっても空気漏れは止まりませんでした。
特に目立った穴とかは無かったのですが、何かの拍子で革袋を引っ張ったところ、ストック付け根の部分が簡単に破けました!(笑)
革そのものの状態が限界を超えていたのでしょうか…
まあ、パキ製でよくある「ストレートネック」だったので、いいとこ幸いかもしれません。
↓ということで、手許に余っていた定評あるL&M製のバッグを使って組んでみることにしました。
↓今どきならジッパーとグロメット付きのバッグにスポスポ挿せば済むのですが、昔ながらのやり方なのでそうはいきません。
まず、各ストックをチャンター側から苦労しながらバッグ内に入れていきます。
↓チャンター以外のストックを全て入れたら、ブロー→ベース→テナー(中)→テナー(外)の順でそれぞれタイインしていきます。
↓ついでに補助的&気休めの意味で自己粘着テープで革の縁を塞ぎます。
↓ブローパイプのバルブも昔ながらの革製でいきます。
植物系オイルをたっぷり染み込ませ、ついでにワセリンで吸着性を持たせます。
↓マウスピースは、Koiwai お気に入りのオーバルタイプに付け替えましたが、スクリューがかなりキツイですね。(汗)
ほんの僅かピッチの寸法が違うのでしょう。
なので、テフロンスプレーに少し助けてもらいました。
↓バッグカバーは余っていた「マイクロスウェード」で、滑りやすさはベルベットやベルベティーンとウールの中間くらいの感じでしょうか?
色はくすんだかなり明るめのネイビーブルー。
途中苦労した部分もありましたが、取り敢えず古き良き時代のパイプの完成です。
シーズニングしていなかったですが、L&M製で新し目なので多分空気漏れはしないでしょう。(笑)
チャンターは暫定的にシェパード製のノーソール・ポリペンコ製です。
今回の顛末も大変面白かったです。
そうですか、デカールは R.G.Lawrie の専売特許なんですね。
私の最初のプラクティス・チャンターが R.G.Lawrie で確かにデカールが貼ってありました。そのPC、誰かに貸したまま返ってきません。今となっては本当に惜しいことをしました。まだ早い内にせっついて返してもらえば良かったと反省しきりです。
パイパー森さん
ご覧いただきありがとうございます。
Lawrieの専売特許かどうかは知りませんが、強度的にとても弱いデカールを貼ってあるだけなのに妙に付加価値を高めているように思えます。(笑)
木の伸び縮み、オイルなどの影響や使用感から、デカールの表面が若干波打っているのですが、それもまたオスタルジックなのですね。
ロウリーのプラチャン、本当に残念ですね!
私も昔装飾部分が黄色いグレンジャーをある人に貸していたのですが、「この電話は現在使われておりません。」でした~(笑)
今回のようにタイインやシーズニングやっている時が、バグパイプいじっているなぁって感じして心地よいですね。
素晴らしい。懐かしい黄色いマウントですね、東京バンドの人も当初何人か見ました。不思議な樹脂ですね。欲しくなりました(笑)あとブラックウオッチとかロイヤルスチュアートのカバー抜群!やはりパイプはこれやね(笑)写真綺麗し!
島さん
コメントありがとうございます。
黄色いパイプって、ホントいい味していますよね。
Catalinという合成素材は不思議な性質を持っています。
この材質を使ったパイプは新品ではまず見たこと無いので、ある意味貴重なパイプなのかもしれません。
この手のパイプに似合うカバーは、やっぱりレジメンタル系のタータンでしょうね。
ブラックウォッチが一番締まりますが、ゴードンも黄色いラインが入っているので相性は抜群です。