TSさんのバグパイプ・メンテ

先日、TSさんから「バッグからの空気漏れと、ブローパイプが破損したので直して欲しい」とのご連絡をいただきました。
早速Koiwai のところにそのパイプが届きました。

まずは全体をチェックです。
珍しいほどに外見の傷や欠けはありません。
ただドローンやストックにはメーカー名が刻印されていないので、恥ずかしながらメーカーを特定できません。(汗)
また、チャンターには刻印されているのですが、かすれてしまって判読出来ません。
チャンターは別物とのことなので関係ないですが…

バッグはジッパー無しのカンモア(キャンモア)シンセバッグ。

コードはシルクタイプの「ロイヤルスチュアート」柄。

バッグカバーはジッパー無しの紺のベルベットですが、特にシルバーのフリンジの目の細かさがとても綺麗で美しいです。

始めに取り掛かったのがバッグ交換です。
各ストックを抜き取った後、前作業として各木部へのオイル塗布と、イミテーション・アイボリーへのポリッシュを先に終わらせます。

このバッグはKoiwai お気に入りのもので使っていて安心感があります。

お次はヒビが入ってしまっているブローパイプと、陥没?したマウスピースの修復です。

エアストリーム製の材質は割れやすい?ので、吹き口を必要以上に強く噛むことは避けたほうが良さそうですね。
余談ですが、先日から奥歯の治療で歯医者さんに通っているのですが、先生から下の前歯1本が少し緩んでいると言われました!
長年マウスピースを噛んできたのが原因に間違いありません。
隣同士の歯をうまく接着して対処するとのことですが…
ゴムのプロテクターは歯茎にとってはあまり関係なさそうなので、パイパーの方は唇だけで咥える方が良いかもしれませんね。(笑)
さて、1箇所陥没したマウスピースですが、対処法として両側から弾力のある薄いプラスチックシートを接着・整形し、黒の塗装&ポリッシュ後プロテクターを被せました。
プロテクター装着が前提なので、噛んでいても塗装は剥がれないと思います。

他は全く問題ないので、コードを結び直したくらいで終了です。

また、とても素敵なハードケースにこれ以上ダメージを与えたくないので、表面の剥がれを接着し、傷がついて白くなってしまった部分を目立たなくしました。
金属には防錆オイルをつけ、埃を取ってからテフロンで艶出し保護しました。
ちょっと手を加えるだけで持ちが変わるので、パイプだけでなくケースにも気を配るのが良いかと思います。
この2つの刺繍のエンブレムがとても品の良い風格があり、ケースの存在感を高めています。

TSさん、これで心置きなく演奏が出来るかと思います。
とても綺麗なパイプなので、ずっと大事にしてあげてくださいね。

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