ハイランドバグパイプのマウスピース

先日のYaさんのマウスピースに関連しますが、
従来のマウスピースと、主流となりつつある?平らな形状のマウスピースを
Koiwai なりに感じていることを書きたいと思います。

◎従来のマウスピースは、吹き口が円筒で咥える部分の直径もさほど大きくはないのですが、
歯で吹き口をしっかり押さえながらも口は閉じていなければならないので、口の開け閉めの「落差」が大きく感じます。
材質はナイロン系・ポリペンコ系が主ですが、昔は合成素材のはしりであるフェノール樹脂(ベークライト)が使われていたかもしれません。
話は逸れますが、フェノール樹脂は耐熱・耐油・耐薬品性で、ヤカンや鍋の把手の他、銃のグリップなどにも使われています。

◎吹き口が平らなオーバルタイプは、咥える部分を「面」として噛むことができるので安定感があります。
材質はナイロン系・ポリペンコ系が使われていますが、いかにもプラスチック的なABS樹脂製も存在します。
↓左がAyrshire Company製・右がAirstream製

吹き口がどんな形だとしても、それなりに口輪筋を鍛えていなければ空気が漏れてしまいますが…(笑)

↓どちらのタイプにしても欠かせないのが吹き口に被せるゴムのプロテクターです。

ハイランドバグパイプの場合、マウスピースを咥えるには歯でガッチリと押さえなければならないので、これが無いと歯と吹き口を痛めます。
また、ゴムの弾力によって滑り止めにもなるので咥えが安定します。
ゴムのプロテクターの材質ですが、多くは「飴ゴム」製です。
中にはビニール系やテフロン系が使われることもありますが、Koiwai は飴ゴム派です。
飴ゴムは黒と肌色の2種類がありますが、材質そのものは同じです。
メーカーごとの規格による製品のゴムの含有率や太さや厚さが様々ですが、
Koiwai はチマチマ2本入りセットを海外から輸入するのも面倒なので、いくつかのメーカーから取り寄せて使っています。
人によっては特に犬歯でゴムを突き破ってしまいます。(Koiwai もそうでした)
もっともこれらは消耗品ですが、少しでも長くもたせるために歯の治療の際についでに頼んで犬歯の角を丸くしてもらったのですが、効果テキメンでそれ以来突き破ることはなくなりましたね。(笑)
時々プロテクター無しで吹いているバグパイパーがいますが、「よく平気だなぁ」って感心してしまいます。
いずれにしてもバグパイプを鳴らすための最初の「入口」なので、ゴムのプロテクターの果たす役割は大きいかと思います。

話をマウスピースに戻しますが、Airstream製とAyrshire Company製の比較を簡単な図にしてみました。
長所と短所というわけではないですが、Koiwai の独断と偏見で…(笑)
マウスピースの長さは各々数種類出されていますが、図では短いタイプをイメージしています。

↓Airstream製で、左が無加工のもの・中央が改造したもの・右がグレードアップタイプのものです。
右のイミテーションアイボリーの材質は割れやすいのでリスクがありますね。(泣)

↓左はKoiwai が主に使っているパイプのもの・右はKoiwife用に従来タイプを短くしたもので、どちらも吹き口を平らに改造してあります

↓変わり種として、マウスピース自体が曲がっているものも売られています。

口元にいつもマウスピースが向き合うかたちとなるので、歯で押さえつける必要がありません。
ただし見た目がアレなんで…(笑)

殆どのメーカーから出されているマウスピースは、ねじ山のピッチ規格が統一されているようなのでどのブローパイプにも装着出来ます。
以前のAirstream製はねじ山が切っていなかったので多少不具合もありましたが、現在は解消されています。
なので、付属されているマウスピースに縛られずに好みに応じて自由に組み換えが可能です。
ブローパイプ自体も、伸縮するものや角度が自由に変えられるものも豊富に売られているので、よりどりみどりな感じですね。
それだけにマウスピースを含めたブローパイプの「空気を送り込むための管」の役割と、
それをチョイスすることの重要性がいかに大きいってことなのかもしれません。

蛇足ですが、パキスタン製のマウスピースについてです。
イミテーションアイボリー色・黒色に限らず、使用しているうちにひび割れを起こす確立が高いので要注意です。
画像はプラクティスチャンター用のマウスピースですが、
今のところ満足できる解決策は見当たらないので、材質の変更を願うばかりです。

2件のコメント

  1. 柳 博

    色々な体型の人が自分のしっくりくる位置に楽器をもって来ることができるのですね。
    別の楽器ですが、不自然に楽器に体を合わせているところを見ている者としては、驚きです。

  2. 柳 博さん
    コメントありがとうございます。
    ハイランドバグパイプの関連品は本当にたくさんあるので、マウスピースの形状や長さに限らず、バッグの大きさも自由に選べます。
    また、メーカーによってチャンターの太さやホールの大きさが微妙に異なるので、探求次第では自分にしっくりくるものと出会えますね。
    演奏するうえでの作法は厳しいですが、楽器自体はとても自由です。(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です