マクファーソン ミニバグパイプ (パーラーパイプ)

以前から、KoiwaiのKoi-wifeが「私専用の室内用パイプが欲しい」とせがんでいました。
なのでKoiwaiとしてはヴィンテージのパーラーパイプを探していたのですが、
なかなか海外のオークションにも出品されず諦めていたところ、「ああ、これだ!」というのが出品されました。
出品名は「Macpherson mini bagpipes」。
1960年代初期のマクファーソンのパーラーパイプです。
↓出品時の画像です。

ただし、このパイプはイギリス国内にしか発送しない条件だったのでとても残念だったのですが、
オークション終了まで1日半ありましたが、誰も入札していません。
なのでダメ元のつもりでコンタクトとったところ、日本にも発送するとの返事が返ってきました。

めでたく落札することができました。しかも出品時の最低価格で!(喜)
しかもギブソンのファイアサイドパイプスの約半額です。
もうこれはラッキーというほかありません。

海外とのやり取りの場合だいたい時間が掛かるものなのですが、
思っていた以上に早くやって来たので、早速中身を取り出し並べてみました。

思ってた以上に各パイプが細長くキャシャな感じです。
バッグは昔ながらの革袋ですが、前オーナーは何十年も吹いていなかったらしく
ガビガビに硬くなっています。
あと数年放置していたら、革袋は虫に食われて穴があいていたと思います。

装飾のカタリンの材質は、山吹色の色具合が丁度良い感じになっています。

各パイプはフラットで、刻み目と刻み目の間がかまぼこ状になっていません。
マウントの形も一般的でなくチャンターのソールのようです。

残念だったのは、ゴードンのタータンのバッグカバーのストック周りがあちこち破けていたことです。(泣)コードは、ウール製でハイランドパイプ用を流用しています。(タッセルがちとデカイかな)

ドローンリードは、ケーンでスモールパイプ用です。

面白いのはチャンターのホールがそれぞれ凹んでいることです。
マクファーソンの仕様なのか、前オーナーがそうしたのか定かではありませんが、
穴を押さえた感覚が慣れるのに時間掛かりそうです。

早速メンテ開始です。
まずは革袋のシーズニングです。
シーズニングオイルをお湯で温めている間に、各ストックにゴム栓をしっかりつけておきます。
オイルがサラサラになったところで漏斗を使って適量を流し込みます。

バッグをいったん膨らまし、まんべんなくオイルが全体に染みわたるようにします。
今度は空気を抜いてから、もんでもんで、絞って絞って、またもんで…
3分もやれば十分でしょうか…
そしてまたバッグを目一杯膨らまし、どこからか空気漏れがないか耳と指で念入りにチェックします。

OKだったら中の余分なオイルを流します。2時間ほど逆さにして吊るしておけば大丈夫でしょう。

バッグからのオイルの垂れ流しを待っている間に、各ジョイントの疲れきったヘンプを取り乾ききったブラックウッドに潤いの特性オイルを与えます。

少しおいたところでオイルを拭き取り、新たにヘンプを巻き直します。
革製のバルブも傷んでいるので、スモールパイプ用のゴムシートバルブに付け直します。
そのあとにもう一度たっぷりとオイルを塗りたくります。
Koiwaiが一番好きな時間ですね。

シーズニングが完了したところで各ストックにもオイルを与え、
バッグ表面には荒療法?ですがスキムミルクをざっと塗りこみました。(笑)
バッグカバーの修繕には難儀しましたが、取り敢えずおかしくない程度に戻し、
ブラックウッドのオイルも拭き取りコードも付け直して終了となりました。

以下、大きさの比較です。

Koi-wifeのハーディと…


ヘンダーソンのパーラーパイプと…


パキスタン製のパーラーパイプ「なんちゃってブラックウッド君」と…

肝心の音ですが、チャンターリードはギブソンのプラチャン用かファイアサイド用が合います。
特にベースドローンはヘンダーソンよりも音が深い感じがしますね。
吹く労力は、ファイアサイドとヘンダーソン・パーラーの中間といったところでしょうか…

とにもかくにもKoi-wifeが気に入っているようなので良かったです。

3件のコメント

  1. 柳 博

    質問があります。
    パーラーパイプなどの位置づけなのですが、ハイランド・パイプへ移行する間で、テクニックなどを磨いていく為に使用されているのですか?
    それともパーラーパイプは独自の分野を確立しているのですか?
    先生のブログの中ではハイランド・パイプへ移行していく時に使用されている方達が多いように思われるのですが。
    宜しくお願いします。

  2. 柳 博

    たてつづけで申し訳ありません。柳です。
    先生の独り言の中でメンテの時に木部のところにリンシードオイルなどを染み込ませていますが、パイプ作成時にアマニ油やアーモンド油などのオイルに漬けて含浸させていないのですか?含浸させた後も定期的に塗るのですか?
    宜しくお願いします。

  3. 柳 博さん
    コメントありがとうございます。
    スモールパイプ系(ファイアサイド・パーラー・キッチン・シャトル・プラクティスパイプなどの吹き込みタイプ)は、人によって使い方が様々です。
    プラチャンとハイランドパイプの中間的存在として扱っていたり、ハイランドパイプの代用として、またはハイランドパイプに関係なくメインとしたり…
    使用目的がテクニック向上等とかは人それぞれですが、どれもドローンのサウンドを楽しめる楽器ですね。
    独自の分野を確立しているようには思えませんが、ハイランドパイプに移行するためのツールとしてはうってつけかもしれませんね。
    ハイランドパイプと比べて音量が小さいので、吹く場所に左右されにくい利点も人気のひとつだと思います。

    私は基本的に既に出来上がったパイプに対してメンテや修理をしますので、オイルでの「ドブ漬け」は行いません。
    特にリンシードオイル(亜麻仁油)は固まる油ですので、凹凸面が埋まってしまったり、他のパーツにこびりついてしまったりと悪影響を及ぼすことがあります。
    パイプに使われる木材は、銃床に最適とされるウォールナットではないので、製作時のドブ漬けも必要ないかと思います。
    ドブ漬けした場合、ボア内など湿気にさらされる部分がカビやすくなるので、外部の表面の状態で必要に迫られた時以外は使いません。

    アーモンドオイルやボアオイルなどのケア用の油ですが、プロジェクティング・マウントやフェラル等の装飾部品が一体となっている場合が多いため、オイルに漬け込むようなことはしていません。

    ブラックウッド製を前提としてですが、パイプの油やりは状況に応じて臨機応変に対処しています。

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