McCallumパイプチャンターの修理

友人のEさんが、「マッカラム製ブラックウッドのチャンターを壊してしまった」とのメールがありました。
昨夜それが届いたので早速取り掛かることにしました。



折れてはいないものの、Eのホールを中心にして綺麗に?割れてしまっています。
折れていないことが幸いしましたね。
そうは言ってもNの字を縦に伸ばしたのように割れているので、面積としては大きいのですが…
完全に折れてしまっているとエッジなどの木片が欠けやすく、修復がそれだけ複雑になるのですがそれよりは作業は楽です。

まずは接合です。接着剤は少なすぎず多すぎず…
乾いたら慎重にサンドペーパーを掛けていきます。
特に指穴はエッジをダルくさせないように、丁寧にていねいに優しくやさしく…
指先の感触で確認しながら、順次ペーパーを細かいものに替えていきます。

↓作業の中間地点といったところでしょうか?


境目がまだよくわかりますね。
サンドペーパーで艶がでるまで下地を仕上げていきます。

Koiwaiは銃床仕上げのオイルも使いますが、今回は「桐油」。
亜麻仁油と似たような感じですが、少しだけサラっとしています。
これを付けながらペースト状になるまでペーパーで研いでいき、擦り込みます。

↓第一段階としてのオイル仕上げが終わりました。


あとは表面の艶と乾き具合を見ながらオイルを繰り返し、ころあいを見て手で磨きながら乾燥させれば終了です。

ブラックウッドのチャンターは割れやすいので、扱いには十分注意が必要です。

4件のコメント

  1. eguti

    修理ありがとうございました、ブラックウッドは油分が多く接着面積も少ないため接着が困難と聞きました、復活不可能と思ってましたが治って嬉しく思います、iwaiさんの修理技術には驚かされました。

  2. egutiさん
    コメントありがとうございます。
    接着面を完全に消すことは不可能なのでご勘弁を…
    今はオイル付けては磨きを繰り返しています。最後の仕上げ段階といったところでしょうか?
    わかりやすく例えれば、ビンゴゲームでリーチかかったのに「ビンゴー!」と言うことができないのに似ています。オイルが硬化するまで時間掛かるので、もうしばらくお待ちくださいね。
    私の技術なんて、技術のうちに入りませんよ~(汗)

  3. Iさん

    治るんですね~(゚Д゚)

    N字割れの写真見たときは「これは無理でしょ?」
    なんて心の中で思いましたが
    そんなことないんですね。

    修理って素晴らしい!

  4. Iさん
    コメントありがとうございます。
    チャンターの割れ方にはある程度パターンがありますが、今回はまだマシな方です。ひどい場合は完全に分離していて、小片が欠けて無くなっていたりもします。割れた時からエッジが取れていくリスクが高まるので、その場で修復するのが一番ですね。
    100%完璧は無理ですが、愛情もって作業すればまず気にならない程度までは持っていけます。音も変わらないと思いますよ。
    チャンター修理の醍醐味です。

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