里帰りしたパキスタン製バグパイプ

昨日はHさんのレッスンの後、私の古巣である東京パイプバンドにずっと所属しておられるMさんとお会いしました。

Mさんとは学生時代からで、当時は東京パイプバンドが「東京パイピングソサエティ」として活動していた頃です。

当時バンドの練習意外にもよく2人でパイプを吹いたり飲んだりしていたので、楽しかった想い出がいろいろあります。

かれこれ27~28年くらい前ですが、私にとって人生最大の転換となったある事(ヒ・ミ・ツ)がきっかけで、Mさんにとてもお世話になった事がありました。

当時私はMさんにパキのパイプでしかお礼することが出来なく、そのパイプをMさんに受け取って頂いたのです。

このパキパイプですが、渋谷にあった軍装品店に飾られていた小汚い中古品でした。

当時いろいろ手を尽くしましたが吹けるまでには至らなかった見るだけのパイプなのです。

先日Mさんから連絡をいただき「あのパイプを里帰りさせたい」との事でした。

私の独り言で何度かパキの修理を掲載したのを見てくださっていたようです。

私としてはMさんに差し上げたものなので躊躇しましたが、長い年月を埋もれたままになっているパイプが傷みきってしまう前に里帰りさせて救って欲しかったのだろうと察しました。

Mさんとは久々お会いしたのでそのまま呑み会となったわけですが、お互い積り積もったトークを交わしました。

Mさんの温かなお人柄は今でも変わっておらず、お互いパイプでの活動は違えど時々こうして酌み交わしたいと思いました。

また私が出来ることでバンドに恩返しが出来ればとも思いました。

さて軽い二日酔いで改めてパイプを見てみると、かなりイッちゃてるって感じです。って言うかイッちゃっています。(笑)

元々薄汚いパイプでしたが、埋もれたままになるとこうなります的な良い見本ですのでここに載せることにしました。

正直細部までは記憶から消されてしまっていますが、思い出深いパイプなので何とかせねばなりません。

ただ仕事ではないので、時間がある時に少しずつ蘇らせようと思っています。

このパキはブラックローズウッドと称される黒ペイント仕上げのもので、金属部分は亜鉛合金製のニッケルメッキタイプです。

革袋は当時適当に見つけた革細工屋さんに依頼して製作しましたが、革そのものが薄くシーズニングがしみ出して「Game Over!」となりました。

亜鉛合金は錆びるとこんな感じになります。

チャンターのソールも一部朽ちています。

バルブもボア内もカッサカサです。

ブラックウッドではない安物の木を使ってペイントでごまかしているのが良くわかります。

ペイントもこんな厚塗りで職人のこだわりや愛情は感じられません。コームの溝も埋まっています。

このパイプを修復するには相当の手間と時間がかかりますが、何とか助けてあげたいですね。

どこまで良くなるか分りませんが、バッグとコードも替えて完成した暁にはまた載せたいと思います。

Mさん、楽しみにしていてください。

2件のコメント

  1. mimoza

    こんにちは!
    また楽しげな「お仕事」がはじまりそうですね。
    「助けてあげたい」というお言葉が印象的です^^
    koiwaiさんは、まさにバグパイプにとってのドクターですね!

    (この場をお借りしてしまいますが)私も自分の課題を見つめ直すべく(←かっこよ過ぎですが)、バグパイプと向き合いたいと思います。
    9月から個人レッスンでのご指導を楽しみにしております。

  2. mimozaさん
    コメントありがとうございます。
    金属部分を全て取り外したいのですが、1つだけフェラルが取れずに困っています。
    分厚い塗装をキレイに取るまでがやっかいですね。
    パキパイプは手を掛けただけの事はあるので楽しですよ~。
    Koiwaiはドクターって言うより「薮医者」って感じですかね。(笑)
    9月にまたお会いできることを楽しみにしています。
    今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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