パキスタン・バグパイプの初期メンテナンス

今日、「バグパイプを買ったけど空気が溜まらない」というお客様の荷物が届きました。

パキスタン製の「Black Rose Wood」と称されている、木の部分を黒ペイントで仕上げているタイプでした。

確認したところ、バッグへのストックの縛り具合は問題なさそうで「ス~」という空気が抜ける感じもありません。ただ革袋自体から空気が通り抜けしている感じでした。特に革製のバッグは、殆どと言ってよいほど最初にシーズニング(目止め)をしないといけません。そして、タイイン(各ストックを空気漏れしないように麻紐等できつく縛る)をきちんと行わないと空気が溜まりません。

パキスタン製のバッグもメーカーによって様々な材質があります。昔ながらのオーソドックスなタイプ、縫製はしないで接着剤で貼りあわせたタイプ、ゴムシート?で革の代用としているタイプ等々…

今回のお客様のバッグはしっかりとした革で出来ていて、縫い目もきちんとしているタイプでした。またタイインコードの位置と結びもしっかり施されてあり、パキスタン製によくありがちな手抜きは感じられませんでした。メーカー・職人の取り組み方が少し現れているのかも知れません。

早速シーズニングの作業に取りかかりました。このオイルは冬場など寒い時期は固まりやすいので、入念に温めサラサラにしておきます。ほのかに漂う独特な匂い…「スコットランドの香水」というジョークをいつも思い出します。

揉んで、揉んで隅まで揉んで…ねじって、ねじって隅までねじって…

そこで一旦空気を入れて膨らまし、漏れを確認します。「う~ん、イイ感じ」

そしてバッグを逆さにして放置し、余分なオイルが垂れなくなったらボア内を綺麗にしてまた確認。

パキスタン製でよく見かけるブローパイプのカップ状のバルブですが、

これは破損しやすいので扱いには注意が必要です。

また新しい発見がありました。

同じくブローパイプの先についているマウスピースですが、パキ製の従来のものは多くがひび割れたり欠けたりすることが多いのですが、このバグパイプには割れにくい材質のものが付属していました。これはこのメーカーだけなのかも知れませんが、ユーザーの意見を取り入れた改良点の一つなのでしょうか?

プロテクターが付いていなかったので、後で付けて差し上げよう思います。

今回も人様のパイプに触れることが出来て、楽しかったです。

2件のコメント

  1. suzume

    パキスタン製はメーカー品の100倍も出回っていると思います。
    片っぱしから吹けるようにしてあげて下さい。

    こちらは、今回の寒波で白い悪魔が降りてきています。
    今のところはまだ良いのですが、明日までが山場のようです。

  2. suzumeさん
    コメントありがとうございます。
    使われること無く眠ってしまっているパイプは数多くあると思いますが、こればかりはご縁ですので…
    でもご縁ある方には出来る限りサポートしていきたいです。
    こちらはずっと晴れたり曇ったりです。
    今日も個人レッスンがありますが、寒い中お越しくださるので申し訳ない気持ちです。

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