鹿児島から!バグパイプ・レッスン&メンテ

昨日と今日は、鹿児島から飛行機でNさんがいらっしゃいました!
ヤフオクでパイプを買われたのですが、独学にしてもどうしてよいのかさっぱり分からず
奥様の助言もあって基礎から学びたいとのことでした。
Nさんは子どもの頃からバグパイプのことが好きだったのですが、
やらねばならないことが他にもいろいろあり今になってしまったそうです。

1日目はお買い求められたパイプへのメンテナンスで、
2日目はプラチャン使ってのレッスンです。

まずは早速パイプを拝見です…
予想通りそれは典型的なパキスタン製で、黒ペイント仕上げのイミテーションアイボリー仕様です。(スライド部分はニッケルメッキのチューブ仕上げ)
バッグカバーとコードは黒、バッグは縫製ではなく合成皮革を張り合わせたものです。

パキスタン製はいろいろ出回っていますが、
このパイプのマウントとフェラルの材質はパキ特有なものの、
色は殆ど白に近いタイプです。

通常、このパキと同じタイプのパイプだとドローン先端のブッシュ周りはペイントで塗装されているのですが、それすらも省略されています。
マウントはきっちり固定されていないので、簡単に緩んでしまいます。
これは他のパキ製にもありがちな仕上げ方ですね。
各ジョイント部分は単なる綿の糸が巻かれているだけです。

バッグの空気漏れの確認のためにバッグカバーを脱がせ、各ストックに栓をしてチェックしましたがこの時点では空気漏れは無かったのですが…

各木部は、ボアにはたっぷりとオイルを染み込ませ、カサカサだった各繋ぎ目をヘンプとテフロンテープを巻きつけ、ストックへの抜き差し具合も調整しました。
マウスピースはNさんには長すぎるので2cmカット。
Nさんが手直し自作したバルブはシートが薄すぎたため、新品のものと取り替えました。

主だったメンテは終わったので今度はリードをつけてバッグを膨らませたところ、膨らみはするものの何か空気が抜け過ぎる違和感があります。
なんとブローパイプ・ストック付け根の合成皮革(表裏貼合せ)が亀裂を起こしているではありませんか!(笑)
「革」の厚みも薄いので強度的に脆そうです。このへんがパキ製らしいですね。
しかもバッグの形状も気になり始め、各ストックはタイインが影響しあってシワだらけになっています。
またパキ製にありがちなバッグの首が「ストレート・ネック」になっているので、
膨らますとピョ~ンとまっすぐに伸びています。(苦)

ならば取り替えてしまえということで、家で眠っていたKoiwai お薦めのバナタイン・ハイドバッグに交換しました。
合成皮革だからシーズニング出来なかったのが幸いでしたね。
もしシーズニングしていたらオイルまみれです。(笑)

バナタインのバッグを交換し、コードとバッグカバーも上質なものに替えしました。
マウスピースはエアシャー、チャンターもポリペンコのものを組み込みました。
これらを交換・メンテしただけで格段にパキ製が変身しました。

手許のドローンリードをいろいろ試しましたが、このパイプとの相性が良くありません。
ボアの毛羽立ちを新たに発見したので入念に確認したいと思います。
各リード調整までは間に合わずお持ち帰りとはなりませんでしたが、納得出来てからお送りしたいと思います。

Nさんにはギブソン・ファイアサイドパイプを吹いていただきました。

Nさんが宿泊先を立川駅近に変更されしかもギネスが大好きなこともあって、初日の夜はいつもの「カウンティ・クレア」さんでお疲れさんしました。
ギネスってホントいいですね。

2日目はプラチャンです。
飛行機の時間が決まっているので効率的に進めないといけません。
上京されるまで少し時間があったので、持ち方と運指だけはお伝えしてありました。
まずは基本の「き」となる音階です。
バグパイプが好きだっただけあって、相当練習された感じを受けました。
クロッシングノイズを出さないように吹くことも既に指が理解されています。
なので、殆ど出さなかったのは驚きです。
各装飾音をこの時間だけでつかむのは無理な話なのでしっかり練習したのは半分、
あとの残りは「こんな感じで指はこう…」くらいに留めました。
Nさんには今からバールの小指訓練をということでダメ元でやっていただいたのですが、
なんとまあ!補助もなしに「普通に」ブルっと音を出してしまいました!!
Koiwai がNさんの上京前に予めやり方を教えていたわけではないのに、
小指がしっかりしかもスピーディに動いて、まさに「いとも簡単に」バールの音を出されているのです!
Nさんのポテンシャル、恐るべしです。(驚)

帰りの時間が迫ってきたので、変身したパキのパイプを鳴らしていただきました。
当然のことながら口輪筋と吹込みが弱いですが、体力ありそうなNさんは難なく乗り越えられるでしょう!

Nさんからはお土産として本場の芋焼酎を頂いてしまいました。(汗)

Nさんに感謝しながら頂いてみることにしました。
封を開けたのは「伊佐美」という銘柄です。
含んだ瞬間、まろやかさと力強い香りが口いっぱいに拡がる感じです。
トロッとした甘さも感じられますね。
「うまい!」の一言です。
大事に飲まさせていただきますね。

Nさん、遠路はるばる有難うございました。
必ず吹けるようになりますので、吹いている姿を思い浮かべながら諦めずに練習してくださいね!

2件のコメント

  1. show180west

    何事も知らないというのは怖いものですね。
    楽器には個性(個体差)があるものの、同じ名称の楽器がこれほど似て非なる物とは・・・トホホ・・・
    とにかく光明が射した感がありました。
    直接指導が受けられて良かった。

  2. show180westさん
    コメントありがとうございます。
    お疲れ様でした!
    どんなことでも、初めは知らないのが普通なのだと思います。
    パキスタン製の「洗礼」を受け、しっかりしたハイランドパイプに乗り換えられた方は、それをきっかけに思い入れがより強くなり更にハマって行くようですね。
    太い光明が射し込んでいますので、楽しみながら練習を続けてくださいね。

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